ワイングラスで日本酒を飲むとどうなる?

今、ワイングラスで日本酒を飲むのがトレンド

日本酒は今、大きな変革期を迎えています。獺祭を筆頭に、純米大吟醸人気が爆発し、臭い不味いのイメージを打ち破る、香り高い日本酒が次々に生まれています。日本酒グラス リーデル
そのような中、酒器にも大きな変化が見られ、より香りを楽しむために口径の広い酒器が用いられたり、升にグラスを入れた「もっきりスタイル」で提供する飲食店も増えています。しかし、「もっきり」で木升を使用すると、せっかくの吟醸香が升の香りに打ち消されてしまうこともあり、あまりおすすめできる飲み方だとは言えません。
近年では、日本酒の最良の飲み方は、ワイングラスを用いることだという考え方もあり、ワイングラスでおいしい日本酒アワードも年毎に活況を呈し、ワイングラスに最も合う日本酒探しも盛んになってきました。実際に、ワイングラスは日本酒のひとつの特徴である吟醸香を最大限に生かせる形状をしており、香りを楽しむことに長けています。また、日本酒は提供される温度帯が広い酒とは言え、温度変化を広くすると酒質が変わり、好印象が残りにくいといったこともありましたので、ステムのあるワイングラスは、酒の特徴を保持することに長けた形状だとも言えます。さらには、ボウルの形状の調整で、酒質にあった流入量を得られるといった特徴もあります。


▶ リーデルのワイングラス

実際に、ワイングラスで日本酒を飲むとどうでしょうか?世界的に最も知られたワイングラスメーカー「リーデル」に、日本酒専用のワイングラスがあるので使用してみると、その違いに驚かされます。
まず、リーデルの日本酒専用ワイングラスは2種類。「ヴィノム 大吟醸」と「エクストリーム 純米」があります。それぞれの特徴は、「大吟醸」の方が背の高い形状をしており、「純米」はやや横広。それは、芳香を楽しむことに特化するか、旨みを楽しむことに特化するかで違っています。
実際に、そのワイングラスをとると、「大吟醸」にそそいだ酒はボウル内に吟醸香をとどめ、口をつける度にかぐわしい香りが流れ込むような感覚を味わえます。対して「純米」の方は、グラス周りに芳香を拡散させ、グラスを取る前から期待感を抱かせます。そして口をつけると、注がれた酒がやわらかく口の中に流れ込み、純米酒の特徴である旨みを舌の上でゆっくりと転がすことができるのです。
日本酒グラス リーデル日本酒グラス リーデル
それぞれのグラスで飲みたい日本酒は、「ヴィノム 大吟醸」ならば獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分。この獺祭の特徴であるフルーティーな香りがボウルの中で漂い、グラスを傾けた途端に弾けるように押しよせてくる感覚が非常に心地よく感じられます。もちろん、もうひとつの特徴である甘みも逃さず、キレの良い余韻を存分に味わうことが出来ます。あまりの美味しさに、ちょっと高価なこの酒もすぐに空いてしまうので、困りものではありますが。
「エクストリーム 純米」ならば、大七 純米生酛。骨太の本物の日本酒として名高いこの酒は、飲み方次第で色々な表情に変わります。それを最も落ち着いた表情に変えてくれるのが、この「エクストリーム 純米」だと思います。日本酒グラス リーデル
まずは、穏やかな香りを優しく拡散させるその佇まい。普段呑みの猪口でなら、舌先を潤すだけでその旨みを十分に享受できなかったものが、このワイングラスを用いたならば、喉元までその旨みを送り届けてくれるのです。複雑な味わいが折り重なる密な酒だけに、飲み方次第で様々な意見が寄せられる酒なのですが、それもこのワイングラスで飲めばひとこと、「美味い!」で片付けてくれる有難いグラスなのです。ただこれも、ついつい飲みすぎてしまうことにもなるので、ご用心。。。

来年の東京オリンピックに向けて、日本酒もまた大きく変わろうとしています。これまで覇権を握っていたワインを視野に入れ、乾杯酒としてはシャンパンをも追い落とそうとしています。現実に、海外人気も高まりつつあり「Sake」と言えば、既に日本酒を指す言葉として海外でも知られています。
そのような中、国内ではワイングラスを用いる提供スタイルに目が向けられ、より美味しくファッショナブルな酒として、一皮むけようとしています。これまでも、世界に類を見ないほど充実した国内の酒器により、その味わいの幅を広げてきた日本酒でありますから、ワイングラスにたどり着いた日本酒のこれからの進化から目が離せません。
国内の酒器メーカーも、日本酒用のワイングラスづくりに乗り出しているところがありますので、それらと他の酒器との飲み比べを試みてみるのも面白いですよ。最近、日本酒の銘柄別飲み比べが流行っていますが、同一銘柄で、酒器による飲み比べを行ってみるのも、発見が大きいものです。

▶ 日本酒用ワイングラス

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